Full Moon Party


今日は満月なので、お隣のパンガン島でフルムーン・パーティが行われる。せっかく近くにいるから、今回は行ってみることにした。迎えの車にはすでに他のホテルからのお客が乗っててうちらが最後だった。
1番前に座りさっそく振り返るポール。「ハロー、ガイズ!みんなフルムーン・パーティは初めて?」お前は引率の先生か!素直にはじめてだと答える男の子たち。「いいかい、お金には十分気をつけるんだよ。」車内で値切り方講座が始まった。

ボ・プットビーチからお向かいのパンガン島まではスピードボートで25分。行きは潮の流れにのってたのか10分ほどで着いた。近っ!


メイン会場はハッド・リンと呼ばれるビーチ。その反対側に着いたと思われるんだけど、すでに道路にはバケツを並べた店がいっぱい!みんなウォッカやラムの小瓶とコーラ、レッドブルを混ぜてバケツで飲むのだ。私は風邪薬を飲んでたのでアルコールは飲まなかったんだけど、バケツを持ってないと非国民のような気がする。コンビニ袋の中からこっそりソフトドリンクを飲む。


さっそく仮装大賞みたいな人が通り過ぎた。はやりなのか蛍光ペイントでカラダにいろいろ書いてる人をよく見かける。スマーフと思われる真っ青な女の子たちが、蛍光グリーンのガイコツ男たちと真顔で話している風景は妙だった。んー、はやくテンション上げないと!


ファイヤーダンスの練習をしてる人は、今夜は最高のお披露目の場だ。小さい男の子(写真左)も1度も落とさず、見事にぐるぐる回してる。そんな人垣の陰でしゃがみ込み、バケツに手をつっこんでいる青年が。あぁ…失敗しちゃったんだね。
ビーチの端には、崖に沿うように小さなバーがたくさん並んでいる。まるでマレーシアでみた宗教の祭りみたいに人がぞろぞろと登っていく。どうやらここでマッシュルームが楽しめるらしい。ドイツ人の青年が自慢げに上腕二頭筋を見せてくれた。すごいねーって言ってるのに、私が触らないと納得しないらしく、必死になって力こぶを見せ続けている。は、はやくテンションあげないと…!彼はあきらめて他の女子に筋肉を見せ始めた。


うちらも蛍光ペイントに挑戦。値切りの先生ポールが交渉して、50Bずつで描いてもらえることに。見本を指すと、それを見ながらスラスラ〜と描いてくれる。ポールは右腕に、私は鎖骨のとこに書いてもらった。みんな脚全体とか、背中一面とか大きな絵を描きまくっている。写真を撮ると歯と服の白い部分だけが光ってブキミな感じ!
しばらく得意になって歩いてたんだけど、絵のあたりが急にかゆくてたまらなくなった。せっかくだし落としたくない。でもかゆい!結局ガマンできなくてこすったら、絵がボロボロ落ちてしまった。


途中、疲れて休みたく(できれば帰りたく)なった私と、こんなに盛り上がってるんだから!とドンドン先をゆくポールの間で意見の食い違いが…。帰りのボートは朝2〜7時まで1時間おき。ボート乗り場までの道のりは行き以上に長く、遠いものになるだろうから、早めに意思表示をしないと間に合わないと思ったのだ。
結局、こんなとこでケンカ別れしてもつまらないので、ゆっくり歩いてもらうことで合意。

人がゴロゴロ寝てるので、彼らを踏まないように歩かなければならない。前を見て、足元を見て、前を見て、足元を見て、前をみたらポールはいなかった。前後を確認するけど見当たらない。暗いし、とにかくすごい人でよくわからない。ポールはどう行動するか考えた。たぶんポールは見失った場所から動かないはずだ。だから私が動こう!
少し先に進んでみる。いない。
帰るか残るか話し合った階段まで戻る。いない。
おなかが空いてるかも。目印にしてたチキン屋まで行ってみる。いない。
まずい。離れ離れになってから時間がたち過ぎた。もう行動の予想がつかない。
時刻は3時40分。もしかしたら、と思ってボート乗り場へ向かう。これが思ってた以上に遠い。途中の店に入り込んで、のんきに飲んでるかも。なんて思ってキョロキョロしながら歩いたけど、どこにもいない。
ボート乗り場はすごい人だ。みんな疲れて帰りたくなる時間なのかな。どこから乗ったらいいのか尋ねる人でいっぱい。列に並んでたのに「Sorry。ここには(ボートは)着きません。」と言われて、あわてて他の列に並びなおす人たち。ともかく何もかもがゴチャゴチャだった。すべての列を除いてみたけどポールは見当たらない。なんでベージュ系の服着てるんだよ。カモフラージュじゃないか!まっ黄色とか、トンガリ帽子とか目立つのを着ててくれればよかったのに!

とうとう4時のボートはすべて行ってしまった。もしかしたら酔って座り込んでるかも。最悪、ビーチで寝ちゃってるかも!もう1度ビーチまで戻る。相変わらず暗くてよく見えない。しかもこの時間となると激しく踊りまくる人か、座り込んでる人か、って感じ。
もしかしたら入れ違いでボート乗り場に行ったかも。5時前にボート乗り場へ戻る。いない。5時のボートが去る。またビーチへ戻る。とうとうこれを7時の最終ボートまで繰り返してしまった。誰よりも早く帰りたかった私が、日の出を見て、最終ボートで帰るなんて!しかもアルコールを1滴も飲まずに!!

帰りのボートには同じく連れを見失った人たちがいた。お互いに「お友達が無事だといいね」と言い合って別れた。なんてこった!

アパートに着いたのは朝7時半。受付娘は7時から働いている。ポールとはぐれてしまったから、もし彼が後から帰ってきたら。私は部屋にいるって伝えてくれとお願いした。さんざんこれまでのいきさつとかを話してたのに、最後の最後になって「もしかしたら部屋にいるかもよ」と言い出す。は?「今朝、警備の人が211の部屋の鍵を探してたって言ってた」と言う。なぜもっと早くそれを言わないかー!!急いで階段をあがると(うちらの部屋は2階)、踊り場にあるソファでポールが寝ていた。ここにいたわけ?!

私はてっきりまだ島に残ってるとばかり思ってたけど、どうやらはぐれて10分ほど同じ場所に止まってたけど、私が見当たらないからボート乗り場に直行したらしい。たぶんそのころ私はビーチをさまよっていたのに。
で、ちょうど4時のボートが来てて、一人だったし係員に連れられて、ボートに乗せられてしまったらしい。たぶんそのころ私はボート乗り場でそれぞれの列を見てたはずなのに。
そしてポールは財布をスられてしまった。私を見失ったあと、タイ娘2人組がやってきて何やら話しかけられたすきに取られたらしい。不幸中の幸いだったのは、カード類はすべて抜いて、お金を少しだけ持っていっていたこと。1000バーツくらい失っただけで済んだ。5年目になる旅人人生で初めて財布をスられたらしく、ひどく落ち込んでいた。

まぁお互い無事でよかったよ。これでフルムーン・パーティの体験談はできるので、たぶんもう2度と行かないな。