宗教戦争。

今日は昨日から借りてるバイクの返却時間まで、ちょっと市内を回ることにした。でも正直タイのお寺は見飽きた感が出てきている。最初はキレイ、豪華絢爛、と思っていたけど、どこも似たりよったりで自分の撮った写真を見ててもどこだかすぐにわからないくらい全部似てる。…なんて考えていたら、門の上に馬がそびえたつ寺院が!これは初じゃない?!まるで沖縄のシーサーのように、白馬が立っている。「ちょっと、ちょっと!あそこに行きたい!」と慌ててタップして知らせても、バイクは急に止まれない。しかも一方通行。お堀沿いの道路は堀を挟んで内回り、外回りになっている。何箇所か堀を渡って逆側に行けるので、次のUターンの橋まで走って内回りへ。近くで見ると馬は思ったよりデカい!


Wat Kuan Ka Maというとこには、動物がいっぱい。馬の門をくぐると塀の内側には金ピカの干支が並んでいる。でも大きさの比率はめちゃくちゃ。私のトラは、ネズミよりもウサギよりも小さく、ポールの犬の手前にはバカデカい鳥が…こわい!なんでこの鳥だけ頭が飛び出ているのか謎だ。イノシシはまるでブタちゃんで、誰かが花を頭にのせたのか、かわいらしい。


2筋ほど路地を挟んだお隣には、こげ茶を基調にした、ちょっと他とは違う雰囲気の寺院が。Wat Montienは地図にもしっかりのってるけど、見るからに目下建設中だ。高い建物が少ないチェンマイで、このお寺はまるで宮殿のようにデカく見える。いつも思うんだけど、メジャーな寺院には英語の解説看板もあるけど、その他大勢はそういった情報がない。ガイドと行ったらいろいろ教えてくれるんだろうか。


この2つの寺院の向かい、堀を挟んで反対にも他とは違う風貌の寺院が。こんなにお寺が密集していていいんだろうか。宗派とか違うんだろうか。ここWat Lop Maliは、同じ敷地内にレンガ造りと、木造と、石の塔があってごちゃまぜな感じ。前にもカラフルな建物と地味な石の塔が一緒にある寺院があって、そこには石の塔はビルマからの文化だと書いてあった。ここもそうなんだろうか。ガイドなしのため、推測は続く。すると、石の塔の後ろでショッキングなものを発見!


ブッダの首や腕が切られて、ポイって捨ててある!!いったい誰がこんなことを、ここで!ポールはモズリム(イスラム教徒)の仕業じゃないかって言ってる。確かにタイの南部ではイスラム教徒と仏教徒の対立が激しい。この前もモズリムにお坊さんが殺されたばかり。南部は特にひどいらしいけど、最近は北部のチェンマイにもモズリムフードのレストランが増えてて、うちのホテルの真横はモズリムロードだ。モスクもあって、毎朝4時半に鐘が鳴ってうるさい。

何か信じるものをもつのはいいけど、だからって他人の信じるものを否定するのはどうかな、と無宗教の私は思う。お寺の敷地内で仏の頭を切って置いておくなんて、モスクの中でわざと豚をおいしそうに食べるのと同じくらい相手の信じることをバカにするひどいことだ。そういえば、このすぐ隣はキリスト教の教会じゃなかった?!タイは95%が仏教徒と前に聞いたけど、今はそうではないと思う。教会もいくつか見たし、日曜日には人があふれていた。勧誘の団体も何度か見かけた。どうなる宗教戦争?!私は今まで通り、クリスマスにターキーではなくチキンを用意し、なぜかイチゴのショートケーキを食べ、翌日には正月飾りに切り替える、いまのいいとこ取りなままがいいです。