大脱走2

日が沈む頃、電波の状態がいいので2階でネットをしていると、妙に甲高い鳥の鳴き声が大きく聞こえた。「コバーみたいだなぁ」と思って外を見たら、そこの柵にコバー似の鳥が。シーラか?薄暗くなってきてよく見えない。
ん?
こっちを向いてまた甲高く鳴いた。コバー本人だ。は!どういうこと?!コイツは逃げないと思ってたのに!
遠くに逃がしたくないので、静かに慌ててポールを呼んだ。するとポールは2階に来ず、真っ先に鳥かごに向かった。ついに噛み砕いて脱走することを試みたらしい。2本だけ壊れてて、コバーがちょうど抜け出せるくらいの穴ができていた。
自由の身に慣れていないのか、屋根の下をバサバサとぶつかりながら飛んでみるコバー。「戻ってきなよ〜。エサだってあるし、今夜また嵐のような雨が降るかもよ〜。こっちのほうが安全だよ〜。」コバーは近寄ってこない。「今までありがとう」と言っているのか、はたまた「もうかごの中の鳥でいるのはゴメンだね!」とでも言っているのか、また甲高く鳴いて姿が見えなくなった。

明日は静かな朝だな。コバーは朝5時頃からピーピーうるさかったから。