ナイジェルを探せ

今回のランカウイ滞在で大変お世話になったトニーとジーンが「バリに友達がいるんだけど、連絡先をなくしてしまって…」と言う。わかっているのは名前と、彼らが15年前にたんぼの真ん中にヴィラを建てて、“唯一のフィッシュ&チップス屋”をやっているということだけ。ヴィラの名前すらわからない。まぁ、わかったとしても15年も前じゃ、名前が変わってるかもしれないし、他の人にビジネスを売っているかもしれないし、手がかりほとんどゼロ!もしかしたら、もうバリにはいないかもしれないし。
あれこれ捜索して、住所と携帯の番号らしきものが見つかった。「バリに帰ったら、絶対に連絡してみるからね〜」うちらはトニーたちとそう約束してランカウイをあとにした。



バリに戻って、早速あの番号に電話してみるけど、つながらない。地図で住所を調べてみる。おおまかなエリアはわかった。うちからそう遠くないぞ。でもどの路地を入るのか、番地はどのあたりか、細かいことは地図ではわからない。そうだ!グーグルマップだ!住所を入力するも検索結果なし。ぶひーっ!
やけくそで彼の名前をグーグルしてみる。すると、すごい!最初の10件中にそれらしきものが出てきた!連絡先も書いてある。ビジネス用ぽいけど。ポールに電話してみてもらう。ドキドキ…。つながった!しゃべってる!そしてすぐ会話は終わった。ポールはちょっと不機嫌。
「彼だったよ。トニーたちのことも覚えてた。でもすごく忙しい人みたい。日曜の午後5時にエコービーチのビーチハウスに来いってさ。」
エコービーチ。名前は聞いたことあるし、評判もいいとこらしい。でも行ったことない。地図で調べると…地図にない!ビーチハウスなんて、これまたありふれた名前だし…またグーグル。出た!最初の1件目。しかもかなりデカいビーチフロントのレストラン&バーみたい!



そして日曜日の午後5時。
うちらは道に迷っていた。看板に従って左に曲がったのに、どうやら違うビーチに出てきてしまったらしい。今来た道を戻り、途中で脇道に入ってみる。外人が乗っている車も同じ方向に向かっている。まちがいない。ボコボコの道をずーっと走って、やっとたどり着いた!エコービーチ!

 
ビーチハウスは相当大きいレストランで、ビーチ側にもテーブルがいっぱい!でも人がどんどんやってきて、テーブルがどんどん埋まっていく。すごい速さで。
そしてビンタンビールが安いっ!Rp13,000!
さぁ、姿を見たことがないナイジェルとどう会うのか。電話をしてみると…出ない!鳴るのに出ない!
彼はうちらの番号を知らないので、もうすべはなし。
ま、せっかくこんなステキなとこに来たんだし、楽しむか!

ポールは変な予感がすると言う。「ここはナイジェルの店なんじゃないかなぁ。だからここに来いって言ったとか。」まさか〜、ただ週末はよくここに来るってだけじゃないの?店員の一人をつかまえて聞いてみた。「ナイジェルって知ってる?今日その人に会いに来たんだけど。」『あ〜、ここのボスだよ。』やっぱり!!『でもここに来たり、来なかったり。いつもはバーカウンターのとこにいるけど、見かけたら教えるよ。』と言ってくれた。ありがとう。

 
毎週日曜日はBBQをやっている。これが大繁盛で、みんなお皿を持って行列。サラダは食べ放題。他にもヨーロピアンが泣いてよろこびそうなメニューがいっぱい。周りのテーブルに運ばれてくるお皿はどれもすごくおいしそう!遅いランチをしたから、おなかすいてなかったけど、フィッシュ&チップスを頼んでみた。これがうまい!さすがに15年前に“唯一の”フィッシュ&チップス屋をやっていただけある!


しかしナイジェル情報はなく、帰り際にダメもとでナイジェルにメールしてみた。とても低姿勢に、もしここにいるなら一杯飲もうと。ちょっとして返信がきた!「バーカウンターの角にいる」それだけぇ〜?!つまり彼はここにいるってことだ。



バーカウンターの角に、数人のおじさんたちに囲まれながら食事をしているおじさんがいた。あなたがナイジェル?『あー、どうも、どうも。すまないねぇ。あ、電話番号教えてもらったよね?さっきのメール?あ〜あ〜そうだね。うちのヴィラでもよくパーティするからさ、また連絡するよ。』なんだかとっても忙しい人だった。トニーとジーンの近況なんかを伝える間もないほど。だいたいうちらの名前を覚えてくれたのかな?