おともだちになって♪

数日前の夜、いつも寝てばっかりのメリーが、ガバッと起きた。耳を澄ましている様子。
ガサッガサッ。
入口のほうで音がする。でも暗すぎて何も見えない。
すると、ズッズズズッと何かが木をすべり下りてるような音がするではないか!
番犬メリー!今こそ出番だ!!
メリーも音のする木のほうへ駆けだす。私も追う。その前に懐中電灯はどこだ…。


キャインキャイン!
メリーに何が?!ヘビが時々出るっていうから、ヘビに噛まれたのかな?
木を照らしてみたけど、もう何もいなかった。
メリーに傷は…ないじゃんか。
クゥ〜ン、キュ〜ン。なぜか悲しげに鳴くメリー。いつもおとなしいのに。
まぁ無事ならよかったよ。何だったんだろうね。



で、今日。
また寝てたメリーがガバッと起きて、壁のほうへ走りだした。
上を向いて吠えている。
なんと黒ネコが塀の上を優雅に歩いていたのだ。
黒ネコを追いかけて下から吠え続けるメリー。
しかし黒ネコちゃんは、ひょいと塀の向こう側へ降りてしまった。


クゥ〜ン、クゥ〜ン。
悲しげに鳴くメリー。そっか、この前のも黒ネコが行っちゃったから鳴いてたんだ。
それはまるで「なんでこっち来てくれないのよぉ〜」と言ってるみたいだ。


グルルル…ブフー!
あら、鳴き方が変わった。
それはまるで「いっつも上にばっかりいてさ、たまには下に来てもいいのにさ。」と不満みたい。
鼻息も荒い。


バゥワゥワゥ!
最終的には怒りだしてしまった。誰もいない壁に向かって。
なんだか、メリーも女だな、と思った出来事だった。