ポジティブな看病

まったく心当たりがないのだが、先日、迂闊(うかつ)にも吐き気と熱で寝込んでしまった。昨日まで何不自由なく暮らしていたのに、朝起きたら胃の中で何やら化学の実験が…コポッ、コポッ。しゃべろうとすると、フラスコからガスがボワンと出てくるように、胃から空気が出てきて気持ち悪い。なんだこりゃ。



胃が痛いと背中も痛くなるのね。ベッドにうずくまっているとポールがやってきた。
「大丈夫?さ、これを飲んで。」いまは何も胃に入れたくない気分なんだけど。
持ってきたのはシャワシャワとあぶくが出ているきいろい液体。水に溶かして飲むタイプのビタミンCだ。
出た!ポールのビタミン療法。まさかこのあと私を炎天下に連れ出さないでしょうねぇ?(詳しくはコチラ
You can do it! You can do it!
手拍子されても酒の一気飲みじゃないんだから。いまの胃にレモン味は刺激的すぎる〜。
ポールの応援むなしく、ほとんど飲めなかった。



化学の実験はしばらく続いていたが、寝返りをうったのがきっかけか、突然、火山の噴火になった!
まずい!!ここの寝室は2階。トイレは1階。これはまずい!!!
噴火活動はますます活発に。わたしの頬は冬眠前のリス状態。階段を下りたところで限界!
ドカーーーーン!
庭に発射。こんなとき壁のない家でよかった。するとどこかから拍手が近づいてきた。
パチパチパチ。「Well done! Well done!(よくやった!)」
小さな噴火活動が続いているので振り返れないけど、ポールなのは明らかだ。
庭に発射してほめられるとは複雑な気持ち。まぁ床に発射するよりいいか。
Well done! Good girl! これで少しは楽になるよ。」でもまだ気持ち悪い。



夜になって、ポールがおかゆの作り方を聞いてきた。この前ポールが調子悪かったときに作ったら気に入ったらしい。よしよし、ぜひ覚えてくれたまえ。
キッチンから鼻歌がきこえてくる。おかゆってそんな楽しい調理でもないけどな…。
おーーーー!おいしーーーー!
キッチンから雄たけびが聞こえる。できあがったらしい。自分でおいしいって言ってるし。どれどれ。んぁ?!
「ポールさん、おかゆ、黄色いけど…何?まさかカレー粉?」
ターメリックがあったから色つけてみたよ!けっこういいでしょ?」かなり得意げ。私が食べたかったのはシンプルな、ごくふつうのおかゆだったんだけど、鮮やかな黄色いおかゆを食べました。でも一皿完食。
「まだまだあるよー!さ、どんどん食べて!!」そんな一気に食べられません。
「明日もおかゆ作ってもいい?たまねぎとか入れたらどうかな?あ、(油で)炒めないよ。もちろんごはんと茹でてね。」おかゆのアイデアが次々と出ているらしい。また明日も病人でいろってか?



ハイテンションな看病のおかげで、今は回復しました。