ついに撮影に。

私にも撮影依頼が!パーティシーンを撮るから2人で来てほしいと電話があったのだ。わーい、わーい!
でも、前回苦労した服装についての指示がまだない。早く教えてくれれば、友達に借りたりして用意できるのに…。


当日の朝、エキストラの調整をしているジェシカからメールが!
「5つ星ホテルでのディナーにふさわしい服装をたくさん、たくさん持ってきて!スーツなんかいいかも。黒、白、赤はダメ。カラフルなのや、花柄もダメ。ストライプやチェックもダメ。あと、水着を持ってきて。では1時に会いましょう!」
軽〜く言ってるけど、うちらのワードローブ全否定だよ!
ポールは「ふさわしい服装を持ってないから、バースディスーツ(はだか)で行くよ」と返信した。まさかほんとにバースディスーツで行くわけにもいかず、ダメもとでとりあえずいろいろ持っていってみた。


撮影場所のフォーシーズンズホテルは、うちらの住んでるとこから島の正反対のとこ。島の北側には来たことがなかったので楽しみ。でもやっぱり雨季なので、あいにくの曇り空とすごい湿気!

今日のエキストラは結局4人だけだった。ナイリーンと(もう一人の)ポールは昨日もフォーシーズンズで撮影したらしく、持ち物にぬかりがない。衣裳のスーツケースのほかになぜかクーラーボックスと、かごいっぱいにポテトチップスや食パンが入ってるのが見える。なぜ食パン?!


 
雨が降り出してしまって待つこと1時間。最初の出番はビーチにあるテント付きのテーブルに座ること。「着替えは?」「いいから、いいから」言われるがままに席につく。ウェイトレスが飲み物を運んでくるからね、とだけ言われてADさんは去ってしまった。
撮影風景の写真を撮りたくてカメラをいじっていたらウェイトレスがやってきた。あれ?もう始まってるの?飲み物がテーブルに置かれてカンパーイとかやってたら「カーーーット!!」と叫び声が聞こえた。あららら、ウェイトレスが飲み物をテーブルから取り上げてしまった。「See you again!」あ〜、ほんとに飲まなくてよかった。撮り直しらしい。
ウェイトレスがやってきてカンパイ、を3回くらいやってたらこのシーンは終わった。



また待ち時間が続く。もう一人のポールはソファで寝てしまった。ナイリーンが「トランプする?」と言って、例のなんでも入ってそうなカゴから新品のトランプを出した。昨日あまりにヒマだったから、今朝買ってきたらしい。3人でUNOみたいなゲームをやった。ルールもわかってきておもしろくなってきたところで、エキストラの世話役マットくんがやってきた。
「おなかすいてる?」当然です!自由につまめるようにサンドイッチとかコーヒー、紅茶が用意されてたのに誰も教えてくれなくて、発見した時にはほとんどなくなっていて食べ損ねてしまったのだ。まぁうちらはエキストラですから、ドイツ人の皆さん優先で異論はないんですけどね。

マットが「みんな1時間の休憩に入ってランチを食べてるんだけど、彼らが一通り終わったらうちらも食べれるから」と言った。まぁうちらはエキストラですから。それにしてもフォーシーズンズの食事がいただけるなんて嬉しい!!
久々に生野菜を食べた。普通のサラダぽいのにとてもおいしい!カレーもタンドーリチキンもおいしい!!待っててよかったと思ったひと時だった。


 
さらに待つこと1時間。おなかいっぱいだし、ヒマだし。撮影のじゃまにならない程度にぶらぶらする。


 
次に声をかけられた時は、ポールたち3人だけで私は呼ばれなかった。ビーチを歩く人2人と、反対側からジョギングしてくる人が必要らしい。立ち位置を決めるポールたち(写真左)と、実際に撮影された時の様子(写真右)。お天気ばかりは調整できないけど、この日はすごくキレイな夕日に恵まれた。


マットに「荷物をランチ食べたところに移動して」と言われた。夜の撮影の準備に入るらしい。移動したところでナイリーンのクーラーボックスから冷えたビールと白ワインがでてきた。ほんとに用意周到!でも私は飲むと顔に出るから遠慮しといた。まだ終わってないし。


スタイリストさんがやってきた。「何を持ってきたか見せてくれる?」あー彼女にはバースディスーツのネタは通用しなそうだ。恐る恐る「黒はダメって聞いたけど、これをつけたら隠せるんじゃないかと思って、一応このドレスを持ってきたんだけど…」と黒いワンピと、ピンクのストールを見せた。あー、彼女の反応が怖い!
「あ、いいんじゃない?ディナーだから黒もOKよ。じゃあそれを着て。」ナイリーンがパールのネックレスを貸してくれて、今朝バタバタと用意した衣装も、意外とあっさりと決まった。

ポールは前回ヨットのオーナー役の時にきたRm10(約300円)のシャツとチノパンで挑むことになった。普段レストランやホテルで歌ってるナイリーンの衣装はすごかった。まるでお店!スタイリストさんも即決だった。


  
いよいよ本日最後の撮影シーン。うちらはバーの入口でシャンパンを片手に立ってて、俳優さんが通り過ぎたらしゃべりながら歩き出すと言う指示を受けた。もう一人のポールとナイリーンは手前の席に座っている。
「うちらにはシャンパンが出るよ」と自慢げにナイリーンに声をかけたら、彼女たちは自前のグラスで本物のワインを飲んでいた。もはや演技ではない。それを聞いてか知らないけど、ADさんがシャンパングラスとりんごジュースを持ってきた。あ、ほんとのシャンパンじゃないのね、やっぱり。泡の出ないシャンパン風りんごジュース。
「ブランデーはアイスティーを使ってるんだよね」とかしゃべっていたら、シルバーグレーのかなり大きな男の人が通り過ぎた。このオーラはなんだ!!彼が俳優さんだった。あとで聞いたら超有名らしい。名前は…覚えられなかった。クリスティアーノとかなんとか言ったかな。
待ってる間にもポールのシャンパンはどんどん減っていく。ダメだよ、飲みきっちゃ!

ADさんには会話してって言われたのに、いざ「アクション!」の声がかかるとポールが小声で歌いだした。ちょっと!あんたが歌っちゃったら何を話していいかわからないじゃんかー!なんかしゃべってよ!…とかいってる間に「カーーーット!」。ADさんが飛んできて「いまのよかったよ!すごく自然で。たぶん問題ないと思うよ」と言ってくれた。かなり不自然だったと思うんですけど…。監督のOKも出てこのシーンは無事に終わった。


昼の1時に集合して、もうじき夜の10時。長い1日が終わった。サインしてお給料のRm200をいただく。どうもありがとうございます!もう一人のポールとナイリーンは明日も参加するらしいけど、うちらは止めとくよ。
ドイツでTVドラマを見る機会があったら(あるのか?)ぜひ「Dream Hotel」をチェックしてね!