サービスとは。

今日は夕方、アパート2部屋をぶち抜いて暮らす、アランとモーリーンの家に遊びに行った。これまた年寄り2人暮らしとは思えぬ部屋数で、掃除は大変らしい(モーリーン談)。

2部屋使ってるもんだから、キッチンも2つ。でも片方は完全にアランのBarと化していた。イングランドでもバーやレストランを経営していたので、ボトルの注ぎ口とか、かつて台所だった棚にはボトル各種が並び、もはや一般家庭ではない。
バスルームも2つ、ベッドルームは4つだが、1つはワークルームと呼んでいて、なぜかPC関連とトレッドミルが同居している。んー、確かにどっちも‘Work’だけど…。さらにもう1つのベッドルームはソファを置いて隠れリビングルームになっていた。

彼らも4月から半年ほどイングランドに帰るらしく、その間ぜひベビーシッターならぬ‘ハウスシッター’させて欲しいと思った。


それはさておき、おなかが空いたので、みんなでごはんを食べに行くことになった。そこは閉鎖した大きなウォーターパークの裏にあり、絶対この先に食べ物を出す店があるとは思えなかった。決して見た目キレイではないそのカフェは、英語のメニューもあるけどローカルプライスで、グラスワインなんかRm4(約120円)だった。

料理もすごくおいしいらしく、ワクワクしながら選んで、みんなでオーダーした。ペラペラおしゃべりして待っていたのだけど、食べ物が全然来ない。みんなグラスも空いてきて、おかわりを注文したいのにバーカウンターに誰もいない。
やっとアランのチャーハンがやってきた。続いて、またアランのブラックペッパー・ビーフ。
…それっきり、再び食べ物は来なくなった。

いつもは温厚なJJも、空腹だったのか「いったいあとどれだけ待てばいいんだ?!」とお店の子を呼んで怒っていた。それからお店の人もなるべく早く…と思ったんだろうけど、料理の皿を運んでは、何も言わずに置いてすぐに戻ってしまう。料理の名前も言わず、誰のものかも聞かず、近場に置いて、すぐ戻ってしまう。あんまりいい感じしないなー。

次にやってきたのは謎の茶色い肉の炒め物。みんな「自分の頼んだのじゃない」って顔で見つめ合って無言。JJが慌ててお店の子を引きとめ聞いてくれたんだけど、英語がまったくダメなのか難しい顔で「あ?」と言って少し考え、「ビーフ!チリ、ビーフ!」と言ってとっとと戻ってしまった。Samがハッとして「うちらが頼んだよね?」と言って、謎の茶色い炒め物を引き取った。

アランはとっくに食べ終わってしまい、モーリーンが「みんな頼んだものは揃った?」と確認してくれた。しかし、Samが頼んだエビのチリソース炒めがまだだった。うちらを除くランカウイ在住の4人は「ふだんはこんなにサービス悪くないのにね。」「そうだよ、食べ物だっていつも全部一緒にくるし。」「すごくいい笑顔の男の子が働いてたはずなんだけど、お休みかしら?」と口々に言い出した。

そんな中、ドンッとデカい皿が置いていかれた。Samのエビだ。殻つきだから余計に多く見えるけど、絶対に10尾はあったと思う。なんという間の悪さ!食事の終盤とは思えぬボニュームだった。Samは必死な様子で「みんな、1つずつ取って!Tomoは手伝ってくれるってわかってるわ!はい、食べて、食べて!」と大皿を真ん中へ移動。もちろん私はNoとは言わず、1匹手伝った。エビはプリプリで、甘くてめちゃくちゃおいしい!!!こんなにおいしいのに、みんなが食べ終わるころに運ばれたもんだから、結局Samだけがガンバって食べるハメに。

料理はどれもすばらしくおいしいのに、提供され方が悪くて、最終的には後味の悪い印象が残った。住んでる人は何度か来る機会があって、いいときも悪いときも体験するんだろうけど、うちらみたいな旅行者はその1回の印象が悪いと、たぶん2度と行かないと思う。
英語が通じなくても、ちょっと汚くても、お店の人はいつもニコニコで、なんだか居心地のいい店もたくさんあるのにな。