歯医者

チェンマイもカウントダウンなので、物価の安いチェンマイで済ませておきたいことはやらねば。今日は前々から気になってたTeeth Cleaingをしにポールが前回行った歯医者へ。ポールはかぶせものが取れて、どうやら飲み込んでしまったらしい。私は歯の根元に歯石があって、それが気になるので取ってもらいたいのだ。

子供の頃は虫歯が多くて、歯医者によく行ってた記憶がある。あのにおいは今でも苦手。でも、大人になってからは歯でほめられることもあって、歯医者に行ったのは親知らずを抜くときくらい。歯並びもいいし、歯自体がしっかりしてると言われたのだ。わーい、わーい。というわけで、大人になってからの私は「良い歯の持ち主」と自負していた。そんなお褒めの言葉からはや10年。いやぁ、今回は本当に落ちました、底まで。

目をしっかりつむって仰向けのまま大きく口を開けて待つ。手袋をはめて医者がいよいよ私の口の中を診る。先の細いのでキューンキューンと削っていく。あぁ、麻酔で眠っている間にすべて済んでいればいいのに!こんな音、聞きたくないっ!キューンキューンが終わったので上下一通り削ったかな、と思い口を閉じると医者に「Open」と言われた。はいっ、まだですか。また大きな口を開ける。チュィーンチュィーンと新たな削り機が出てきた。あぁ、これは歯の表面用かな。施術箇所に合わせて、適当な道具を使っているのね。ありがとう。チュィーンも終わったのでまた口を閉じると「Open」と言われる。そろそろ精神的に限界が…。開放して欲しい…。ガツッ、ガツッ!今度はいったい何事?!歯を抜かれるんじゃないかと思った!きっとピーターパンのフック船長の手みたいなので歯の間のものをかき出してるんだ!ガツッ、ガツッ!あ、あの…お手やわらかに!しかもコットンみたいので拭きながらガツガツやっている。そんなに出血してるの?!見えないもんで(見たくないけど)想像は悪いほうへ悪いほうへと膨らむ。

歯科助手に「Finish」と言われたときには私が一仕事終えたみたいにぐったりしてた。口をすすいでびっくり。まっかっか!その血をみてさらにぐったり…。先生に手を合わせ(タイの挨拶)とぼとぼと受付に戻った。先生は私にではなくポールに「彼女には10箇所以上のCavitiesがあります」と言った。え?え?キャビティって何?
ポールが驚く。「10 cavities?!
医者は神妙な面持ちで言う。「More than 10.」
だからキャビティって何よっ?!
「穴だよ。歯に穴があいてるんだよ。」歯に穴…それを人は「虫歯」と言ったりしませんか?しかも「10箇所」ですって?がーん、がーん、がーん。私の「良い歯の持ち主」自負はガラガラと崩れ、粉となり、消えた。

私に虫歯が10箇所以上…
なんだってぇ〜〜〜〜?!

本当に落ちました。どうしよう、怖いよー。歯医者やだよー。1箇所かぶせるのに500Bって言うじゃないの。5000Bあれば1週間暮らせちゃうよ。先生は同じ面に2箇所あれば一緒にかぶせるから500Bだけど、同じ歯でも上面と側面だったら2箇所で1000Bだと具体的に教えてくれた。自分で鏡で見てみる。この黒っぽいの、ステインだと思ってたんだけど、もしかしてこれが「虫歯」ってやつ?

先生にも「相当歯医者に行ってなかったでしょ」と見透かされた。はい、直近でも4〜5年前の親知らずの時でしょうか。追い討ちをかけるかのようにポールも「イギリスでは半年に1度歯医者に診てもらうけど、日本じゃ保険はきかないし、みんな痛くならないと行かないんでしょ。だから日本の子は歯並びが悪いんだ。」と言う。半年に一度。そんなにマメに行ってたら、2〜3箇所のキャビティで済んだかもね。あぁ、本当にお先真っ暗!これからは歯磨きの鬼になります!

気を取り直して…と行きたいところだが、マジで落ちてしまったので、本当は今夜は日本-フィジー戦を見にパブに行こうと思ってたんだけど、部屋で見ることにした。だってみんなに話しかけられても「えぇ、私にはキャビティがありますから」って言ってしまいそうなんだもの。