“ぼったくり”?!

今日はポールが昼間っからいろんなレポートを読まねばならぬというので、天気もいいし私一人で出かけてみた。ここは前から気になってたカフェで、思い切って入ってみた。適当に明るくて居心地よくて、本とか持ってきたい感じ。ツナサンドも、あまり甘くしないでもらったアイスコーヒーもおいしくて、私のお気に入りの店になりそう。そうだ!ポールにも持ってってあげよう!ここのサンドイッチを気に入るかも!ものすごい名案が浮かんだと思って、お姉さんにテイクアウェイできるか聞いてみた。すると「日本の方ですか?」と言う。聞くと、このお姉さんは横須賀に10年住んでて、6年前にタイに戻ってきたそう。今でも横須賀の仲間と連絡をとってるから日本語は忘れていないのだとか。へぇ〜、ずっと英語かタイ語で話そうとばかりしてたから、なんだか新鮮。どこに泊まってるの?それは悪くない値段だね。スーパーマーケットはここにあるよ、とかいろいろ話をして、私は本当にここのカフェが気に入ってしまった。

するとお姉さんがふと話をやめて、私の頭を悲しげに見つめる。「髪、どうしたの?」へ?何かついてる?煙でも出てる?!私のくるくる天然パーマを見て、お姉さんは「すぐそこでストレートパーマできるよ」と言ってきた。彼女は腕がいいから8ヶ月はキレイのままだと言う。私もあなたのようにくるくるしてたけど、彼女にやってもらってまっすぐキレイにしたんだと言う。彼女は友達だから紹介するよ、トリートメントをサービスするよ、と言う。おー、ぜひまっすぐにしたーい!「日本では10,000円とか15,000円とかするでしょ?タイなら7,000円くらいでできるよ」それって何バーツ?「2,000バーツ。ただね、ちょっと時間がかかるけど。4時間くらい。」縮毛強制はそんなもんだよ。時間かかるよね。「今行ったら8時には終わるよ」今日は無理だけど、明日やりたいな、明日の午後。「じゃあココに来て。私が紹介するから!」わかった!じゃあ明日の午後ね!

テイクアウェイのサンドイッチとコーヒーを持って、本当に私は満ち足りた気分だった。明日の予定も決まって、これから8ヶ月ドライヤーなしでも常にサラサラヘアーを保てるなんて!いやぁ〜、本当にいいカフェを見つけたなー。誇らしげにポールに報告した。明日ストレートパーマするから!
財務大臣の最初の質問はもちろん「それっていくら?」2,000バーツだと答えるとあやうくコーヒーをこぼしそうになった。「タイの人の平均月収を知ってるの?4,000バーツだよ!その半分なんて高すぎる!彼女は一緒に行くと言ってるの?時間は決めてきたの?」時間は決めてないけど…カフェに来てって言ってた…。小声になる私。「連れて行って私には1,000バーツちょうだいとか取引するんだよ。フロントの子たちに値段を聞いてごらん。絶対に高すぎるって!」でも日本で私がどれだけ払ってたかしってるよね?2,000バーツなら安くない?「タイで2,000バーツあったら、何ができるか考えてごらん。日本の値段と比べちゃダメだ! 」フロントにはキレイなお姉さんムイがいた。「ねぇ、ストレートパーマの値段っていくらくらい?」彼女は私はやらないからわからないけど、普通カットなら150バーツしない。「じゃあストレートパーマで2,000バーツってどう思う?」美しいムイからは想像もつかない声がでた。あ”?!それは高すぎるよ!とムイも言った。そっか、そうなのか…急に悲しくなってきた。ポールは他の美容院の値段も見て比べてみたら?と言う。そうね、それもそうかもね。でもガッカリして疲れちゃったから一度部屋に戻るよ…。完全に敗北。

部屋に戻るとNHKの“海外安全情報”をやっていた。デング熱の話をまたやっている。「続いては、いわゆる“ぼったくり”の被害にあう日本人があとをたちません。」な、なんですって〜?!タイミングよすぎ!どうやら欧米っぽいイラストだったけど、地元の雰囲気を味わおうと一人ででかけた人が被害に会いやすいのだとか。あたし、今日まさに一人を楽しもうとでかけてみたのに…。せっかく値段も手ごろで味もよく、雰囲気のいいカフェを見つけたと思ったのに。店員さんが私をぼったくろうとしてるかも、と警戒しなくちゃいけないのが悲しい。まー、でもストレートパーマへの意欲はすっかり失せてしまった。