ポールのともだち(長文)

今日はバイクを借りて、ポールのトレード仲間のシャマんちに遊びにいった。といっても顔見知りではなく、メールとチャットで数回やりとりしただけの人。オンライントレードのサポートセンターの人と何度も話しているうちに仲良くなり、今度タイへ行くんだという話しをしたら、タイにもトレードしてる人がいるよ、と教えてくれたのだ。それがシャマ(米国人)。「シャマ」はタイ用のニックネームで、本名はジョージらしい。ジョージだと言ってもタイ人は彼を「チャール」と呼び、「No, no, ジョージ!」と言っても「OK, OK, チャール」と呼んで間違いに気づいていないので、自分の名前を「シャマ」にしてしまったらしい。今では年に1回、ビザの書き換えで本国に戻ったときはジョージになるんだとか。ケアンズでもスゴイEnglish Name を持つ人々がいたけど、私はやっぱり自分の名前を大きく変える気にはなれないわ。


そんなシャマんちに着いたのはお昼の12:30頃。てっきり一緒にランチでもしながらお話するのかと思ったら、一度座ったっきり動かない。飲み物すら出てこない。「くつろいでね」と言われたけど、さすがに初対面で、どんな人かもわからないのに勝手に冷蔵庫を開ける勇気もなく、おとなしく二人の会話を聞いていた。ポールはおしゃべりだが、シャマもまたおしゃべりで静かに淡々としゃべり続ける。タイに移住したいきさつとか、最近のご近所事情、あちこち話題が飛んで、ほんとにキャピキャピさのない女の子の会話みたい。

「まぁ、まずは実際にPC見て、どんな風になっているのか見せるよ」とシャマが立ち上がったのは14:30。まずって前説2時間ですか?!このタイミングでポールが「冷たい飲み物か水でももらえないかな?」と言ってくれた!空腹を紛らわすには冷たい水だ!ところがシャマは「僕は冷たい水は飲まないんだよ。室温でもよければキッチンにあるよ。」と言ってグラスに1杯、1杯ずつじゃなくて1杯、室温の水を持ってきてくれた。


PCの前に移動して、いよいよ本題だ。とても温厚でおとなしく見えるシャマも、マーケットに振り回され、タイのネット接続の悪さに七転八倒し、相当苦しんだらしい。そこで彼は、いかにイライラしないかを最重要ポイントとし、彼なりのスタイルを確立したらしい。

  • 情報分析はネットにつながずハードディスクの中で
  • インターネットは違うプロバイダで2回線。一方が調子の悪いときは切り替える。

スクリーンも2台あって、TVでよくみるデイトレーダーの人みたい。ポールもあれこれ質問したり、実際に操作させてもらったり、二人の会話はとまらない…私はよくわからない…この部屋暑い…おなかすいた…眠い…。

一生懸命聞いてるフリをしてたんだけど、どうやらカクカクと船をこいでたらしい。ポールにひざを叩かれハッと目が覚めた。シャマは「大丈夫?僕の英語聞き取りにくい?何ならベッドで寝ててもいいんだよ。」と言う。あまりに真顔なのでイヤミか本気かわからない。


私は時々意識を失いながらも作戦を考えていた。16:30になったら「帰り道が暗くなるといけないし、今日はここまでにする?」って言ってみるとか。それとも「また遊びにきてもいいかな?」って聞いてから、今日は切り上げるとか。あー、いま16:15だからそろそろ切り出さないと、この人たちお別れの挨拶も長そうだよ。そんな私の心配をよそに、ポールはあれこれ質問し、シャマもあれこれ披露してくれちゃって、ちっともキリがよさそうにない。だんだん暗くなってきたので、机の電気をつけるときに「あ、もうこんな時間!」って遅くなったことに気づくだろうか。私がヤキモキしている間に16:30は過ぎ、自分が言い出すより、ポールに言ってもらった方がよさそうだと思い、念力を送ってみるが伝わらない!しまいには身を乗り出して、私に完全に背を向けてしまったのだ、あー!シャマはあっさりと机の電気をつけ、何もなかったかのように話を続けている。またチャンスを逃したっ!私はあきらめて、ちょくちょく立ち上がってリビングで水を飲んだり、伸びをしたりしていた。オトコなのにトイレにも行かず、よくずーっとしゃべっていられるなぁと感心していると、二人が部屋から出てきた。何があったんだ?!まーともかくよかった。時計は既に18:00を回っている。今度来るときは本とか何か持ってこようっと。


「さぁ、ランチを食べに行こう!」シャマんちを出てポールが言った。「ランチだぁ?!今何時だと思ってるんじゃー、こらっ!」しっかりしたものが食べたくて、せっかくバイクもあるので、遠出してみることにした。向かった先はCentral Airport Plazaという空港近くの映画館も入った大きなショッピングセンター。ここならおいしいものがあるに違いない。ポールは入り口すぐのKFCでも構わない!って感じだったけど、ここはグッとガマンして4Fのフードコートへ行った。クーポン券を買うシステムらしいが、よくわからずじっと見ていると、背後から見知らぬ男が近づいてきて、そのまま突進してくる。近すぎる!何か変!きゃーーー!その男はガシッとポールの肩を背後からつかんだ。あんた誰ーーー?!

「Andy!」とポール。は?アンディ?知り合い?二人とも超笑顔。「Tom、アンディだよ!ほら、前にパイで会ったウェールズ人の。」えっと…私はあなたの話をすべて記憶してるワケでなくて…んー、思い出せないけど、とりあえず「あ〜!Nice to meet you.」と言って握手した。ふむふむ、これがアンディか。覚えておこう。

今年の3月にパイ(さらに北部の小さな町)で出会った彼らは、同じウェールズ人ってこともあり、すっかり仲良くなったのだとか。で、ポールはその後チェンマイに戻り、バンコク経由で日本に来て、またチャンマイに戻ってきたわけだけど、その間アンディはチェンマイTOEFLの指導資格をとるコースを受けて、英語の先生になったらしい。今はチャンマイの看護学校で英語のクラスを持ってるんだとか。でもクラス数をたくさんもてなくて、思ったように稼げないから、今のクラスが終わったら一度帰国して働くんだって。

実はここまで立ち話。フードを目の前に!アンディを半ば強引に誘って一緒にごはんを食べることに。時々ここに来るというアンディにオススメを聞いてみた。韓国料理屋のカレーがおいしいんだ。ポークのフライが乗っていて、おいしいよ。へ〜、なんか日本のカツカレーみたいだ、と思って案内された店は日本料理屋だった。日本語でもメニューが書いてあるけど、まぁ彼らには何の文字だかわからないだろうな。「日本料理」だってことは訂正しておいた。

ポールはカツカレーを日本で食べたことがあるので、他のものにしたい、と言って消えた。次に彼を発見したのは見覚えのあるカラスのマーク!こ、これは…すかいらーく?!

鶏の照り焼きを注文してました。この前も食べてなかった?


アンディは明日の課題作りがまだ終わっていないらしく、ごはんの後でバイバイした。来月には帰国するらしいので、その前にまた会いましょー!
ポールのほうが、バイクを慣れない一方通行だらけの道を運転して疲れてるかと思ったけど、気づいたら私が先に寝てた。あー今日は本当に気疲れした1日でした。